2009/08/02

コピラー



最近雑誌などでたまに見かける「複写機と呼ばれる人々」という文章。いまどき「複写機」っていう呼び名も古いなと思いつつ、書いてある事は確かにそうだということと、そういう人たちがかなり多く、ビックリするぐらい存在する事に呆れます。

マスコミに「複写機」と呼ばれているひととは、「自分では考えようとしないで、読んだまま聞いたままを信じてしまい、しかもそれを吹聴するひと」です。しかし、私はこれに「反論・反対するひとを時代遅れとか無知と卑下するひと」を加えたいと思います。

例えがちょっと古いかも知れませんが「あなたはKYね」と言われ「え?」と知らなかった時に、そのひとから「知らないの?遅れてる〜^^」とか言われ「KYは空気が読めないってこと」と広辞苑にでも載っているかのような一般常識みたいに言われ、知らない事をアホ扱いする事です。そんなものはマスコミの思うツボ商人の策略でしかなく「KY」は空気が読めないとも読めるともとれるどちらも「Y」で、昔なら駄作扱いだったでしょう。それなのに、そんなカスコピー押し付けるの勘弁してくれませんか?ほんと。

話を「複写機と呼ばれる人々」に戻します。
以前にも書きましたが、マスコミが「次期総理は麻生さんだ」と言えば、訳もわからないのにインタビューに答えるサラリーマンは、一斉に「麻生さんが適任!」と叫ぶ。しかも今度は「麻生じゃだめだ」となんのプライドもなくひっくり返す。それも自分で麻生さんの政策を検討しての事ではなく、テレビで言っていたマスコミの受け売りだ。

食べ歩きや旅の番組で、リポーターまがいのアイドルが「おいしいおいしい」とそれしか言えんのかというぐらい、同じフレーズを繰り返すと、次の日からその店にはどこから湧いてきたんだというぐらいの行列ができる。
納豆がダイエットに効くと言えば、翌日にはスーパーから一斉に納豆が消える。

「飛騨牛最高!黒毛和牛最高!」と聞いて実際食べてみて、「やっぱ旨いわ、最高だ!」と言っているひと。
こういうひとが言う「やっぱ旨いわ」の「やっぱ」は「マスコミが言うようにやっぱ旨い」のではなく「俺が思った通りやっぱ旨い」のだから始末悪いです。その後実はそれは飛騨牛でも黒毛和牛でもなく輸入牛肉だったことを聞かされ、だまされた!と憤慨する輩。それが真のコピラー(複写機改めコピラー:マンガン命名)であればあるほど憤慨度は高いようです。
輸入牛肉を飛騨牛と言って売ったのですから、そりゃ詐欺には違いありませんが、その時「やっぱ旨いわ、最高だ!」と言って至福のときを過ごしたのですから、それはそれでいいのでは?と思ってしまいます。
逆に違いがわからず高い金を払った自分を恥ずべきとさえ思います。じゃあ、お前に違いがわかるか?…わかりません。だから高い金まで出して高級肉というものはあえて食べず、普通ので満足しています。


iPhoneのアプリでも同じで、専門サイトで「このアプリはいいですよ」とレビューが載ればすぐ売り上げトップになります。そしてそれを見て買ったのでしょう、コピラーのこんなレビューがありました。



いやはやです (;^_^A

確かに、今まで知らなかった情報を聞き、食べてみよう買ってみようと思う事はまちがっていませんし、そういう好奇心から本当に自分にあったものに出会え、そこから新たな道が開かれるかも知れません。
逆に言うと、いつまでもかたくなに頑固を通して自分スタイルで生きているひとこそ、実は世間が小さかったり大した事がなかったりします。

情報とは知らないひとに知ってもらうためのものですから、どんどん流してもらうのはありがたいのですが、それに飲み込まれてしまっているひとがかなりいるということも事実です。

コピラーのひとたち、もう少し冷静になるべきです。そうすれば催眠術が解けたように「あれ?俺なに浮かれてたんだろう?」と気づき、もっと有効な時間と金の使い方を見つけられるでしょう。

※映像は「情報という波に飲み込まれ、思うツボという大腸菌に犯されるコピラーの群れ」

0 件のコメント: