2009/08/14

裁判員裁判制度[裁判員]



8月3日から始まり、今回で2例目の裁判員裁判制度による裁判。

1例目が実刑15年、2例目が情状酌量の余地があるとして減刑の4年6ヶ月。刑期の長さ云々は今回はいいとして、両例とも批判の出るものではない「無難な判決」になりました。

これらの判決は、元東京高裁刑事部総括判事で法政大学法科大学院の木谷明教授は「プロの裁判官だけでやっても似たようなところに収まった気がする」と言っています。

結果は一緒でも、いままではその結果が出るまでにどれぐらいを要していたのでしょう? いえ、逆に言って同じ結果がたった4日で出てしまうじゃないか、お前らプロは今までどんなぬるま湯でチンタラやってたんだ?と思ってしまいます。しかも1例目終了後の会見で、弁護士が「なぜ形見のナイフで殺したんだ」という裁判員からの質問には、「プロでは思いつかない視点での質問」と感心していましたが、「え、そんなもんなの?プロの弁護士って」と呆れました。かと言って裁判員裁判制度を肯定している訳ではありません。いままでの裁判制度を批判しているだけです。

裁判員裁判制度の「裁判員」なんて、所詮いま流行の「子供店長」と同じではないかと思います。専門の知識もなく、「死刑」なんて自分に責が及ぶ判決を出す訳でもなく、当たり障りのないほぼ求刑に近い刑期を科せば一応自分も納得出来るし、対面も保てるぐらいの認識でしょうか。いえ、裁判員になった人はもっと責任感を持って望んでいるかも知れません。でもそういう認識を持って選抜し、進めようとしているのは裁判官たちです。

そうでなくてはやりにくいのです。4日で済ませるには、もめない人を選ばなければなりません。その上に真面目な良識人で家庭持ちである事もポイントです。

私のような、ひとを故意に殺したヤツは人数に関係無しに死刑!(もちろん、家族が殺されてその敵討ちというのは情状酌量の余地有り)、それが薬をやっていようが頭が狂う病気であろうが関係無しに死刑!と考えている、しかもテレビやマスコミ・世間の眼を気にしない人間が、もし裁判員になったらどうなるでしょう?大騒ぎです。当然その兆候が見られる者は落とされるのでしょうが、もしスルーした場合、その面接官はクビになるでしょう。それでは裁判官側はスムーズに行かなくて困る訳です。なにしろスムーズに解決して行けたらいいという、彼らにとってはきっと「たいした事のない事例を素人の裁判員にまかせておけばすべてが丸く行く」なのでしょう。

話が裁判員から裁判官にそれてしまいましたが、2例目では仕事を無事果たした裁判官が終了後の会見で、勘違いしてこんな事まで言っています。「被害者と被告の話をもう一度聞きたい」と。裁判官側から言わせれば「もう終わったんだよ、ご苦労様」でしょうか?先程の木谷明教授曰く「旧来の刑事裁判では証人をもう一度呼べた。今も法律上できないわけではないが、裁判員裁判は融通が利かない」そうです。所詮裁判員は「子供店長」か「チーママ」なのです。

最後にどうしても裁判員にならされると困る、忙しい人や私と同じ「そんなもんプロがやれ!」という人たちは絶対に面接で落ちる方法をお教えします。それは

・「あー知ってるその事件、週刊誌で見たけどあの子の母親は不倫してたんだってね。それなら〜」と言う。
・質問には一切答えず、ずっと黙り通す、あるいは質問とは違う答えをする。
たぶんたったこれだけで、面接には落ちるでしょう。こんな人、裁判官側は要らないのですから。

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